2008.8.25 「篝火(かがりび)」
初回に続いて、杜氏見習中の岩田です。これからもお付き合いよろしくお願い致します。 蔵元のある岐阜県各務原市は、濃尾平野の北東の端にあたり、近隣には日本一暑い多治見市があります。毎年夏は暑いのですが、特に今年は過去最高ではないかと思えるほどの猛暑でした。7月中頃から、35℃以上の酷暑日が続き、夜も気温が下がらない熱帯夜の連続でしたが、盆休み明け頃からやっと少し涼しくなりました。(このまま涼しくなってほしい)

毎年恒例の「呑初み切り」、暑い日がこれほど続くと思っていないうちに行われました。「初呑み切り」とは、冬に造って火入・貯蔵しているお酒がやっと落ち着き始めた頃、初夏に初めて貯蔵タンクの封を開けて、それぞれ少量ずつのお酒を取り出し、ずらりと勢ぞろいした新酒を一斉に?酒するという、「季節蔵」独特の行事です。品質のチェックをし、火入・貯蔵の健全性を測るだけでなく、タンク毎の熟成の進み具合から、使用するタイミングや順番を検討したりします。

今年は、米が硬くて溶けが悪く、粕が多かったせいか、お酒は例年より綺麗で若いものが多くて、熟成が進んで旨みが増すまでには時間がかかるように思れました。(しかし、その後の暑さで充分に挽回し、旨みが増してきています。今年の酒は旨いですよ!)
同じ仕込のお酒が、季節ごとに見せる味わいの変化を堪能してもらおうと始めた「旬の極」シリーズ。
春の、寒造り搾りたて「うすにごり」は、好評のうちに完売しました。夏の酒、フレッシュさが残る原酒「初呑み切り」も、おかげさまで完売です。
そして秋を迎えるころ、間もなく、「ひやおろし」が発売されます。「ひやおろし」は、まろやかで柔らかな、のどごしの良い、15度規格に仕立ててあります。今年は猛暑のおかげで、例年以上に熟成が進み、とても美味しくなってきています。秋上がりして充分に旨さの乗った過去最高の「ひやおろし」を楽しむことができるでしょう!

追記、冬には、「槽(ふね)」からの搾りたてを味わうことができる、新酒しぼりたて生原酒「しぼったばっかし」が発売されます。これで季節の酒が完結します。乞うご期待♪
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