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  2010.1.6  新年のご挨拶と税制について

あきらめましょう。ありがたいことなのですから。


多摩川の土手に座って水面を眺めれば、水はどんどん流れてゆきます。

視線を上げれば、雲は形を変えながら移りゆきます。

太陽はゆっくりと動き、影は伸びてゆきます。

昼間は温かかったのに、日が暮れると寒くなります。

月も動き、形も毎日変っています。

明けまして、おめでとうございます。

「世の中の変化が激しい」といわれます。しかし、水が止まり、雲が止まり、太陽も月も動かなかったらどうなるでしょう。そうです、世の中は変わるものなのです。移るものなのです。そして、それは極めて当り前で、自然なことです。

さあ、あきらめましょう。世の中は変わるものなのです。そして、実はそれはありがたいことだったのです。ありがたいことに、年も変わりました。今年もよろしくお願いいたします。そして、あきらめてください。今年も一歳、年をとります。

さて、あきらめなければならないものに、「税金」があります。12月22日に閣議決定された平成22年度税制大綱が手元にあります。25日に財務省に行ってもらってきたものですが、酒税に関する部分を見てみましょう。

21ページに、「個別間接税」という項目があり、酒税やたばこ税は、これに入ります。まず(1)の基本考え方ですが、原文は下記の通りです。

(1) 基本的な考え方
消費税は基本的に全ての財・サービスに課されていることから、そのほかに間接税を課すことは、実質的に二重の負担をもたらすことになります。したがって、個別間接税については、特定の政策目的を含め、課税の趣旨を明確にすべきです。


一方で、個別間接税に関連し、「グッド減税・バッド課税」という考え方が示されています。これは特定の財・サービスが環境や健康などに影響をもたらす時に、それが好影響である時には税負担を軽減し、悪影響である時には税負担を課すという考え方です。

「グッド減税・バッド課税」の考え方に立ち、健康に配慮した税制や地球規模の課題に対応した税制の検討を進めます。

つまり、酒税やたばこ税は消費税がかかると二重課税になるので、課税の趣旨を明確にしなければならない。そして健康や環境に良いものには軽く悪いものには重く課税する。という考え方です。これは、実にもっともなことです。

次に(2)たばこ税・酒税、とあります。原文を記します。(青色は強調の為)

(2) たばこ税・酒税
たばこ税・酒税は、いずれも消費税と実質的に二重の負担をもたらすものであると同時に、これまで安易な財源確保として用いられてきたという問題があります。 これはたばこ税・酒税が財源確保を目的に創設されたことに由来するものですが、前記の基本的な考え方に照らして、このようなあり方は望ましいものではありません。 たばこ税・酒税は国民の健康に対する負荷を踏まえた課税に改めるべきであり、その際には国民に分かりやすい仕組みにすることが必要です。その観点から、酒税については、酒類の生産・消費の状況等に配慮しつつ類似の酒類については、基本的に致酔性の観点からアルコール度数に着目した税制とすることを検討します


こちらもでも、まず消費税との二重課税のことが書かれています。そして、酒税やたばこ税は、安易な財源確保に用いられてきた経緯があるがそれは望ましくないので、健康に対する負荷を考えた「国民に分かりやすい仕組み」にすべきとのことです。

問題は下線部の解釈です。まず最初に「類似の酒類」から考えてみます。僕はこの「類似の酒類」とは現在のビール類(発泡酒や第三、第四のビールと呼ばれるもの)だと考えます。理由は、現在のビール類の税率は、類似の酒類でありながら、「国民に分かりやすい仕組み」ではないからです。ということで、結局、現在のビールや発泡酒とか第三のビール等は同一のカテゴリーとなり、度数別課税になる。ということが考えられます。

次に、「生産・消費の状況等に配慮」が何を意味するのか。ですが、いろいろと考えられますが、僕は「生産の状況への配慮」とは「大手と中小の生産性への配慮」と考えます。そして、「消費の状況への配慮」とは「消費が多い(伸びている)酒類とそうでないものに差をつける」という意味であると考えます。すると、酒類間では消費量の多いものの課税が重くなり、そして、同一酒類の中では大手の課税が重くなるということになります。

国税庁が平成21年3月に出した「酒のしおり」で平成19年度の酒類の販売(消費)の数量を調べると、総合計は8761klです。内訳はビールが37%、発泡酒が17%、焼酎が11%(単式連続式合計)リキィールが11%、その他の醸造種等(第三、四のビール)が10%で、合計で86%になります。一方、清酒は8%、果実酒は3%、ウイスキーは0.8%、ブランデーは0.1%です。では伸びている酒類は何かというと、10年前の対平成9年比で、リキュールの387%、単式蒸留しょうちゅうの185%、連続式蒸留しょうちゅうの116%になります。単式蒸留しょうちゅうにあっては18年連続で前年比99.5%以上の実績です。

ということで、大手のビール(類)や焼酎やリキュールの課税が重く、小さな醸造所の清酒やワインやウイスキーやブランデーは軽くなるということになつので、つまり結論は「小規模醸造の地酒が安く飲めるようになる」ということになるのですが、これって、都合のよい解釈なのでしょうか。皆さんはどう考えますか。


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